Wednesday, November 29, 2006

transformat

HappySpirits
ACBD!
5SEEDS
B for a
Designvalley

これらはすべて過去に参加あるいは現在も参加しているプロジェクトですが、実は自ら一人で一から発想し立ち上げていったものはありません。すべて夢や理想、コンセプトを思い描いていた人から誘われ、あるいは共に創っていく形で進んできました。

そこでは、音楽、デザイン、アート、街づくりなどに関して、柔軟で現状にとらわれない発想をするすばらしい仲間と出会いました。社会の中にこんなにたくさ んのレイヤーがあるんだなと感動をしていました。一つのレイヤー(たとえば、「大学」そして「会社」。)の中だけで、動いてたらきっとこんなにたくさんの 感動と経験は得られなかったでしょう。

大学時代、経営学を学び、そして就職活動に進むにあたって、働くとは何か、会社とは何か、と考えてきました。

そして、どうしてイタリア、フランス、フィンランドやスウェーデンなどの北欧の人たちは、仕事も生活も(つまりは、人生)よく楽しんでいるのだろうかと考えてきました。どこかラテンな空気に憧れるのです。

建築に興味があったこともあり、その一つはワークプレイスの問題に行き着きました。そして、経営学の観点からはワークシステムの問題。さらに、デザインや アートといった文化(それらは人生を豊かにするもの)的アプローチからマクロにとらえれば、ワークソサエティの問題を考える必要があるように思いました。 そして、これら3つの問題と、そこで生活をする人たちの生き方の問題(分野で言えば、ワークライフバランスやキャリアデザイン/ライフデザインの領域)の 両方から、社会をもっと楽しく面白いものにするにはどうしたらよいかと考え始めました。

HappySpiritsでクラブカルチャーを学び、日常の仕事舞台である会社から離れてつながっていくコミュニティを見てきました――見ず知らずの人が一つの音楽のもとに一体となる感動はどのように表現したら良いだろう。

ACBD!では、「アタリマエを疑う」視点を身につけ、そして「社会を壮大にデザインしていく」発想を身体化しました。また、カフェなどの何気ない会話の 中にある「生まれては死にゆく創造性」というメンバーの発言は今も心に生き続け、その創造性を蒸発させない創造的環境を創りたいという欲求は高まるばかり です。

5SEEDSでは、集まった5人から何が生まれるか?というように、一から創っていったので難しさもありましたが、幾多の人との出会いがあり、少しずつ拡 がっていくネットワークに感動をしました。また、メンバーの人間性は本当にすばらしく、自分に欠けていた思いやりや気づかいを学びました。

B for aは、5SEEDSから派生してアーティストのために自分たちは何ができるかとのテーマから、WEBギャラリーやストアを構築しました。初めて商品がネッ トで売れたときの感激は忘れられません。すばらしいアーティストにたくさん会うことができ、こうしたアーティストの作品や個性、創造性が社会で常に語られ るようにするにはどうしたらよいか、これは継続的な課題として持っています。

Designvalleyは、一人の妄想に共感し、それを理想として、さらには個別の目標として現実化させることを目指したプロジェクトです。もともと、 地域や街そしてコミュニティといったテーマは、自分の中に持っていたので、これは非常に時間のかかるプロジェクトとなるかもしれないけれど、ライフワーク としていきたいと思っています。想いを表現すると必ず共感してくれる人が現れてくれて、いま少しずつ仲間が集まりつつあります。街の方にもお世話になって おり、これからもたくさんの人との出会いを通じて自分自身成長していくことになりそうです。

さて、これらの経験と抱いている先ほどの問題意識から、これはもう自分でも何か行動を起こしたいと思いはじめました。

以前から、「会社ではなく社会で働く。」、「個で仕事をする。そして、関係する個となる。」などと考えてきました。これは大学生時代から考えてきたことで す。かつて読んだ本をいくつか読み返してみますと、これらの発想の根源はP.F.ドラッカーの「ネクストソサエティ」にあるようです。大変な衝撃を受けた 本でした。そこから、デザインやアートに関する興味もミックスされて、現在の考え方が築きあげられていったのだと思います。

今でいうソーシャルネットワーク的な考え方です。実はSNSのようなものはSNS以前からリアルであったと思います(印象派画家たちがあつまったサロン や、文豪が集まったbarだってそうですし、カルチャースクールなどでできる人間関係もそうだと思います。)。現在では、SNSの誕生で加速度的に趣味趣 向を共にするコミュニティが生まれ、人間関係も拡がりつつあります。

その後どうなるか?それがリアルに還元されていきソーシャルワークが始まっていくと思うのです。そこには、フリーなソーシャルワーカー(ここで言うソー シャルワーカーとは、アメリカのそれではなく、「社会起業家」の意味に近い。しかし、起業家というほど大げさなものではなく、たとえば手芸を趣味でやって いる主婦がご町内に教室を開くといったことも含まれる。たとえば、そこでWEBデザイナーと出会い、オンラインショップを始める、または建築家と出会い ショップデザインに手芸的テキスタイルを活用するなど、個の表現がその他の個の表現が拡がっていくような社会、その参加者/表現者を指す)が活躍をしてい くと思います。おそらく書籍などでも言われていると思いますが、コラボレーション型のワークスタイルになるのではないかということです。個人が持つ個性や 表現が集まって、そこから仕事が生まれていくスタイルです。

以前から、物事すべてには、共通した部分があるのではないかと考えていました。例えば、インターネットのネットワーク形状やページへのアクセスとそこから の情報生成の仕組み、リアルでの人と人とのつながりかたとそこから生まれる経験やコミュニケーションなどは、人間の脳内のシナプスが刺激を受けてそのつな がりを増やし情報の交換密度を高めていく過程と似ているのではないかと想像します。つまり、すべての根源は、「生命の動き」だと思ったのです。「生命が生 み出すもの、それはまた生命と同じ形状をしている」ということです。

小さな集団がいつの間にか大きな集団となっている「マジョリティシフト」という言葉を、細胞の動きについて述べられた高校のテキストで見つけたときに何か 感じるものがありました。産業革命は一つの小さな発見から時代が変わっていきました。細胞でも人間でも産業発達史においても、どこかに生命の動きに似た共 通部分があるなと感じた始まりかもしれません。

マジョリティシフトを起こす。などと言うと革命家のようで少しあぶないような感じもします。

これまで経験してきたプロジェクトにはどこかに新しいコンセプトがあり、それらは社会にはまだない、あるいはあるけれども少数派という状況でした。しか し、メンバーとの会話の際によく冗談で言っていたのは「平和な革命を起こそうよ。」ということでした。別に争うわけではなく、基本的にはbetter lifeの気持ちで、「今よりもよい社会って何だろう?」という問いを常に持ち、「できるところから進めていこう。そして社会を少しずつよりよいものに変 えていこう」ということです。マジョリティでなくてもマイノリティでもいい。しかし、確実に新しい価値観を持ったレイヤーを社会に息づかせてみたいと思う のです。


その動機から始めるプロジェクトが、「 t4 」。


transformat ―― 物事の枠組みを捉えなおす


既存のformatを考え直してみたい。みんなで。そこから、何が最善かどうしたらより面白いか、楽しいか、美しいか、素敵か、考えてみたいのです。ここから何が生まれるか楽しみでなりません。


transformationという言葉を引くと下記の言葉に出会いました。

Life is a process of transformation. 人生は変化の過程だ。

そうこれはプロセスであり、継続的なプロジェクトです。

常に考えること。

新しいformatが形作られれば、さらにそれをtransformatする。

formatは常に再生更新される。

固定されずに流動的。しかし、川がそこにあるのは水が止まっているからあるのではなく、流れているからある。木がそこにあるのは、止まっているからではな く、その幹の中で大量の水を吸い上げ、成長し、花が咲き、葉が落ちて、そしてまた同じプロセスを繰り返して成長をしていく。

つまり、それは生きているということ。

transformat ―― それは私たちの身の回りにある自然と同じでとてもダイナミックで生命的なものなのです。

※transformatに関するこの考え方は現在(2006.11.28)における考え方であり、考え方自体もまた変化していく可能性はあります。

Friday, November 10, 2006

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